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本のこと 本のある場所のこと

       私がお世話になった大切な本のこと 本がある場所のことを書きました。              ここに来てくれた方の今のこと 先のことが考えやすくなればとてもうれしいです。       

魔女になりたいわたし 長崎源之助

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わたしはこどもがすきだ。

すきというよりすばらしいなと思う。

 

欲しいものは欲しい、あげたい時はあげる。

思ったことをそのまま口にしてしまう、

自分の考えているとおりに動いてしまう、

そういうところが本当に美しいなといつも思う。

 

仕事場で、こどもと話したり遊んだりすることがある。

お別れするときに、「また来るから!」と言われると

絶対1人で来られへんやん〜と思う。

思いながらも、100%それ以外の意味を含まない彼らの言葉に

たまに泣かされそうになる。

 

きっと家に着く頃にはわたしと遊んだことも、

また来ると言ったこともすっかり忘れてしまうのだろう。

けれど、わたしの目の前にいるこの瞬間は

たしかに彼の全部が、わたしだけと向き合っている。

 

先のこと、仕事のこと、他のいろいろなつながりのこと。。

大人になるにつれて大切な持ち物が増えていく。

わたしはその全部を大切に持っていたいし、

そうしなくちゃいけないって思っていた。

失くさないように、壊さないように。

 

「バランス良く」って言葉はあまり好きじゃないけれど

言葉にするとほんとにそんな風に触れているように思う。

 

でもこどもは違う。

今、目の前にあるものだけを、ためらいなく抱きしめる。

力加減を考えずに、人目もはばからずに全力で。

だからこどもと向き合うと泣きそうになるのかなぁと思う。

 

身動きがとれなくなっても、その後さみしくなっても

その一瞬はお互いに最高に幸せだから。

 

「魔女になりたいわたし」を読んだ後もいつもそんな気持ちになる。

魔女になりたい1人の女の子と男の子たちとの友情のお話。

 

いつどこで買ったのかも覚えていなくて、

もしかしたらわたしが買ったのではないのかもしれないけれど

ずっと前から家にあって少し汚れている。

最初から読んだり、ぱっと開いたページを読んだりして

もう何度読んだかわからない。

 

いつも本を開くたび、こどもたちがわたしに聞いてくれる。

ちゃんと全力で抱きしめてる?って。

そしていつも反省する。

たぶんもっと大人になってもこの本にはお世話になると思う。

美沙