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本のこと 本のある場所のこと

       私がお世話になった大切な本のこと 本がある場所のことを書きました。              ここに来てくれた方の今のこと 先のことが考えやすくなればとてもうれしいです。       

社会人大学人見知り学部 卒業見込    若林正恭

 

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そのネガティブの穴の底に答えがあると思ってんだろうけど、

20年間調査した結果、それはただの穴だよ。by若林(オードリー)

 

ほんとはおもしろいはずの文章なのに 、少し泣きそうになった。

でも嫌な気持ちからじゃなくって、

 

肩をぽんぽんって優しくたたかれて

振り返ったらたまたま教えてもらえたような、

自然と寄り添ってくれる言葉だったから。

 

わたしはたぶん人見知りだった。

自分のことはあまりわからないけれど

今より昔のほうが人と話すときに何話そうって考えることが多かった。

どう自分をみせたらいいかわからなくて緊張もしたと思う。

 

今は人に聞きたいことが多いからそんな風に思わない。

できるだけ人に会いたいなと思う。

人に教えてもらうことが多いし、純粋に人に会うのがたのしい。

 

それでも若林さんの帯の言葉を見た時は、はっとした。

わたしの中の、人好きに進化した人見知りさんが反応したのかもしれない。

 

この言葉がこんなに残るのは

きっと若林さんが、おもしろくしようとか、

大げさに書こうとか考えて作ったものじゃなくて

ほんとに嘘なく思っていて本気でみんなに伝わればいいなと思って

書いたからかなと思う。

 

これは社会人大学人見知り学部1年目に若林さんと社会を隔てていた壁が、

いつのまにか消えていてほんとは壁なんてもともとなかったんじゃないの?

いや確かにあったから、ちゃんと壊してきたから今になってる。

って思えるまでの話。

 

こうしたらこうなれる。

みたいな書き方は一切されていないのに

大切なことがおもしろくわかりやすく伝わる。

やっぱり芸人さんてすごい。いや、若林さんがすごい。

 

一つひとつの自分がぶち当たった社会というものを

きちんと考え尽くして自分なりにその時出せる答えを

全力で振り絞って出してきたこと。

 

ふて腐れても、もし間違っていたとしてもいいから

社会の中から逃げないで、生きること。

自分が社会の一員だということを、素直に認める大切さが書かれていた。

 

あとは、出会い。

若林さんの社会の見方、自分と社会との距離感が変化していくまでに

若林さんを救ってくれた出会いを、「確かなもの」と書かれている。

 それは間違いなく、自分を押し出そうとしていると思っていた

社会の中で見つけたもの。

 

最後にある言葉がわたしはとても好き。

自分も社会も素晴らしい世界だ。

成長という言い方は乱暴だし少し違う気がするけれど

そう思えるようになった若林さんの文章からは社会に対する愛を感じる。

 

この本を読んだからって、今目の前にある世界が変わるわけじゃないと思う。

けど、「こんな風に思えたら。。」って思えたら、

自分の日常の中にある、自分の知らない感覚にあこがれを抱くことができたら

少しでも楽になれるはず。

 

出会えてよかった本です。

ぜひ読んでみて下さい。

 美沙